「ながらかいご」のNAGARA、ISO/IEC27001取得|STATION Ai発・介護DXスタートアップが情報セキュリティを強化
会話をそのまま介護記録に変える「ながらかいご」を手がける名古屋発スタートアップNAGARAが、国際規格ISO/IEC27001を取得。介護DXと情報セキュリティの両立に挑む姿を紹介します。
介護の現場では、利用者と向き合う時間よりも先に、記録作業に追われてしまうことがあります。ある調査では、介護職員の業務時間の約3割が記録作業に費やされているといわれ、「本当はもっと利用者と話したいのに」という声も少なくありません。そんな課題に、会話をそのまま記録に変える技術で向き合っているのが、名古屋市昭和区のSTATION Aiを拠点とする株式会社NAGARAです。同社はこのほど、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」の認証を取得したと発表しました。
※本記事の内容は2026年8月31日発表のプレスリリースおよび同社公式サイトの情報に基づきます。認証範囲・登録番号等は発表時点のものであり、最新情報は公式発表をご確認ください。
会話がそのまま介護記録になる「ながらかいご」とは
NAGARAが提供する「ながらかいご」は、介護職員と利用者の会話を音声から自動的に介護記録へ変換する支援アプリケーションです。ケアの合間にメモを取ったり、後からまとめて記録を打ち込んだりする手間を減らし、「ながら」で記録が完成する仕組みを目指しています。同社は議事録作成に対応する「ながらかいご議事録」も展開しており、記録業務の負担軽減を軸にサービスを広げています。
同社が掲げるミッションは「人と人とのつながりを最大に」。記録という事務作業に費やされている時間を、利用者との対話やケアそのものに振り向けたいという思いが込められています。
ISO/IEC27001取得の中身
今回取得したのは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「ISO/IEC 27001」(JIS Q 27001:2025)です。認証取得日は2026年6月26日、認証範囲は「介護ITサービスの企画、開発、販売及び保守」とされています。審査登録機関は株式会社マネジメントシステム評価センター(MSA)、認定機関は一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)で、登録番号はMSA-IS-839です。
同社は「内部監査及びマネジメントレビューを通じて情報セキュリティマネジメントシステムの継続的な改善に取り組み、介護現場のDX推進を通じて、介護職員が利用者と向き合う時間を増やしてまいります」とコメントしています。
なぜ今、情報セキュリティ強化なのか
介護記録には、利用者の心身の状態や生活歴といった、扱いに慎重さが求められる個人情報が数多く含まれます。音声を記録に変換するサービスである以上、会話の内容そのものが情報資産となるため、記録の正確さだけでなく「安全に預かり、安全に扱う」体制づくりが欠かせません。
創業からまだ日が浅いスタートアップにとって、国際規格の認証取得は決して軽い取り組みではありません。それでもこの段階でISMSを整えた背景には、介護施設や自治体といった取引先から見て「安心して任せられる会社」であることを、仕組みとして示したいという狙いがあるとみられます。
STATION Ai発・高専発スタートアップという愛知の挑戦
NAGARAは2025年7月設立、高専発のスタートアップとして注目され、複数のスタートアップコンテストでの受賞歴も持ちます。2025年11月時点でシードラウンド6,200万円の資金調達を実現し、現在は6名体制から7人目の採用を検討しているといいます。拠点である名古屋市のSTATION Aiは、愛知発のスタートアップが次々と生まれる場として知られており、NAGARAもその一社として事業を積み上げています。
介護というエッセンシャルな現場の課題に、テクノロジーと誠実な体制づくりの両輪で向き合う——。同じ愛知で働く人にとっても、専門性を社会課題にどう生かすかを考えるヒントになりそうです。
働き方や技術との向き合い方についてもっと知りたい方は、ツムログ愛知の企業インタビューもあわせてご覧ください。
参考・出典
- 株式会社NAGARA プレスリリース「ながらかいご」を運営する株式会社NAGARA、ISO/IEC 27001(ISMS)認証取得のお知らせ(PR TIMES、2026年8月31日発表)
- 株式会社NAGARA 公式サイト(2026年8月31日確認)
本記事は上記プレスリリース・公式サイトをもとに執筆しています。掲載画像は同リリースより提供されたものです。