名古屋市「Hatch Technology NAGOYA 2026」が挑む行政・社会課題のDX

名古屋市「Hatch Technology NAGOYA 2026」が挑む行政・社会課題のDX

名古屋市が主催する先進技術実証事業「Hatch Technology NAGOYA 2026」で、156件の提案から8プロジェクトが決定。アイシンや大成建設など、行政課題と社会課題に挑む企業の取り組みを紹介します。

区役所の駐車場がいつも満車で困る。街路樹の異常を見つけるのに時間がかかる。学校の体育の授業で、生徒一人ひとりの動きを客観的にフィードバックしたい——。行政や地域が抱えるこうした「困りごと」に、テクノロジーで挑む企業とのマッチングが、名古屋市で今年も動き出しました。名古屋市が主催する先進技術の実証支援事業「Hatch Technology NAGOYA 2026」で、156件の提案の中から8つのプロジェクトが選定されたと発表されました。今年で8年目を迎えるこの取り組みは、名古屋市役所の課題と、先進技術を持つ企業のアイデアを結びつける場として続いています。

※本記事の内容は2026年9月2日発表のプレスリリースに基づきます。実証期間・スケジュールは発表時点のものであり、最新情報は公式発表をご確認ください。

 

行政課題に挑む4プロジェクト

名古屋市役所が抱える16の課題テーマから、行政課題として選ばれたのは次の4件です。

エアロトヨタ株式会社は、衛星データとAIを組み合わせ、農地の耕作状況を判別する仕組みに取り組みます。これまで職員が炎天下で行っていた現地巡視の負担を減らすことが狙いです。株式会社コアは、消費生活相談窓口においてクローズドAIを活用し、通話内容に基づく助言候補をサジェストする仕組みを検証します。株式会社ハイパーブレインは、学校体育の授業で骨格解析を用いて生徒の動きを可視化し、客観的なフィードバックによって挑戦を後押しする取り組みを進めます。ランディット株式会社は、区役所駐車場にAIカメラを設置し、満空状況の把握や混雑予測によって利用者の待ち時間短縮を目指します。

 

社会課題に挑む4プロジェクト

もう一方の社会課題では、より大きな企業も名を連ねています。

株式会社アイシンは、燃料電池の排熱を活用し、水素を「どこでも」「手軽に」利用できるようにする新用途の検証に取り組みます。株式会社HULIXは、AIカメラによる識別と音声警告を組み合わせ、客引き行為への対策と指導員への最適な巡回経路の提示を目指します。大成建設株式会社は、ドローンによる無人点検とAI診断によって下水道管の調査を効率化し、人的作業の削減につなげます。古河電気工業株式会社は、樹木医の知見を学習したAIで街路樹の異常兆候をスクリーニングし、倒木被害の予防を検証します。

 

なぜ名古屋市はこの仕組みを8年続けているのか

「Hatch Technology NAGOYA」は2019年に始まり、2026年で8年目を迎えます。名古屋市役所が抱える現場の課題を公開し、そこに先進技術を持つ企業が手を挙げる——このマッチングの仕組みが継続していること自体が、行政と企業がともに課題解決を模索する文化として根づいてきたことを示しています。運営は名古屋市が主催し、オープンイノベーション・プラットフォーム「Urban Innovation JAPAN」を手がけるNPO法人コミュニティリンクが事務局として支えています。

実証期間は2027年2月までを予定しており、その後は実証報告をもとに本格導入の可否が検討されます。スポーツ市民局の課題については、9月18日にキックオフミーティングが予定されているとのことです。

 

行政課題の現場に、技術で関わるという仕事

区役所の窓口、学校の授業、街路樹の点検——。普段は意識しにくい行政の現場にも、日々向き合っている職員がいます。そこに技術で関わる仕事は、目立たなくても確かに誰かの負担を軽くしています。行政や公共分野でのキャリアや、技術で社会課題に関わる働き方に関心のある方は、ツムログ愛知の企業インタビューもあわせてご覧ください。

 

参考・出典

本記事は上記プレスリリースをもとに執筆しています。掲載画像は同リリースより提供されたものです。

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