東三河の新事業を次の世代へ|「一般社団法人東三河新事業振興協会」が豊橋で設立
豊橋サイエンスコアを運営してきた第三セクターの解散を受け、新事業創出や産学官連携を引き継ぐ「東三河新事業振興協会」が設立されました。その狙いを紹介します。
地域の新しい事業の芽を育ててきた施設が、運営主体を変えて次の一歩を踏み出しました。35年近く続いた仕組みの終わりと、その先にある新しい形について、豊橋から発表がありました。
一般社団法人東三河新事業振興協会(HNPA、愛知県豊橋市)は2026年10月20日、設立を発表しました。前身の株式会社サイエンス・クリエイトから、産業振興や創業支援の事業を引き継いでいます。
※本記事の内容は2026年10月20日発表のプレスリリースに基づきます。事業の詳細・今後のスケジュールは変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
35年続いた第三セクターが、その役目を終えるまで
株式会社サイエンス・クリエイトは1990年、愛知県や豊橋市、日本政策投資銀行、100社を超える民間企業などの出資により、第三セクターとして設立されました。出資総額は15.5億円にのぼります。1992年には事業費25億円をかけて「豊橋サイエンスコア」が完成し、以来、東三河の産業振興や創業支援の拠点として運営されてきました。しかし収益は想定を下回る状況が続き、2026年6月の株主総会決議を経て、同月30日付で解散しています。豊橋サイエンスコアの建物は豊橋市に無償で譲渡され、主要事業は同年7月1日付で新設の協会へ移管されました。
何を引き継ぎ、何を目指すのか
東三河新事業振興協会は、東三河において事業者等による新たな事業の創出・育成を促進し、経済活動の活性化を通じて地域社会の発展に貢献することを目的に掲げています。具体的には、次世代半導体実装支援(豊橋技術科学大学と連携)や先端アグリテック導入支援といった創業促進事業、東三河スタートアップ推進協議会の事務局運営や東三河ビジネスプランコンテスト(令和8年度で第26回)といった地域連携事業、そして豊橋サイエンスコアの建物保守管理やイノベーションガーデンの運営といった施設管理事業を引き継ぎます。産学官連携の実例としては、豊橋鍍金工業と愛知工業大学による表面処理技術の研究開発など、複数の企業・大学連携プロジェクトが進行しています。
「地域の挑戦を制度として支える」という仕事
新しい事業に挑む人を支える仕組みは、誰か一人の情熱だけでは長く続きません。出資金を集め、施設を建て、収支に苦しみながらも35年近く地域の創業支援を担ってきた第三セクターの歴史は、その難しさを物語っています。今回の協会設立は、採算の厳しさに向き合いながらも、産学官連携という仕組みそのものを途切れさせずに次の世代へ引き継ごうとする試みだといえそうです。東三河で新しい挑戦を考える人にとって、この協会がどんな支援の形を見せていくのか、今後の動きが注目されます。ツムログ愛知の企業インタビューもあわせてご覧ください。
参考・出典
一般社団法人東三河新事業振興協会 プレスリリース「「一般社団法人東三河新事業振興協会」設立のお知らせ」(PR TIMES、2026年10月20日発表)
本記事は上記プレスリリースをもとに執筆しています。掲載画像は同リリースより提供されたものです。